
私たちが日常生活していくうえではたくさんのリスクが存在します。死亡・病気やケガ、または故意ではなく他人にケガを負わせたり、物を壊したり、自分でも思いがけない出来事に遭遇します。そんなリスクに対して、生命保険はたくさんの人が少しずつの負担をすることによって、いざという時に「困った人をみんなで支えよう」という相互援助の考え方から生まれたものです。相互援助の考え方と言えば「健康保険制度」も同じ観点からみると同じだといえます。生命保険の始まりは17世紀ヨーロッパのイギリスだといわれています。その後「生命表」というものが生み出され、それによって死亡リスク年齢が計算されるようになりました。福沢諭吉によってこのイギリス近代的生命保険の制度を紹介され、1881年に日本で最初の保険会社が誕生しました。基本的に生命保険は、死亡の場合や重度な身体障害をおった場合に被保険者に対して保障をするものですが、これは、本人だけではなく残された家族が生きていくための経済的保障だともいえます。しかし長寿国日本といわれるほど寿命が長生きの現代社会においては、死亡に対する保障だけではなく、老後の生活を見据えた貯蓄的要素を持った保険も生命保険の範囲として取り扱われるようになりました。日本において生命保険は主に保険会社が取り扱いを行っています。生命保険と同じ性質をもつものに「簡易保険」や「共済保険」などの営利を目的としない団体が組合員の相互援助を目的として行っているものがあります。
保険と一言でいっても、現在では生命保険、医療保険、自動車保険、傷害保険、火災・地震保険などたくさんの保険の種類があります。全てに保険という名称がついていますが、第1分野(終身保険や定期保険など、人間の生死に関する保険)と第2分野(自動車保険や火災保険など損害に関する保険)、第3分野(第1分野、第2分野にどちらにも属さない医療保険や傷害保険、介護保険など人に関する保険)と、分野ごとにわかれ、取り扱いができる会社が定められています。保険会社では第1分野と第3分野を取り扱うことができ、損害保険会社では第2種と第3種を扱うことができます。そのため、一般的に私たちのいう生命保険とは第1分野の保険となります。保険会社では第3分野の保険も取り扱うことができますので、生命保険に特約として医療保険などの第3分野の保険をつけることができるのです。また今まで第2分野を主に取り扱ってきた損害保険会社なども第3分野を取り扱いができますので、第3分野を独立させた医療保険なども販売するようになりました。
生命保険とは、基本的にたくさんの人から保険金を預かり、集まった保険金を、保険事故に合った人にまとまった金額を保険金として支払うものです。保険会社では、将来、契約者に保険金を支払うために、大部分の保険金を運用(株式投資・公社債などの有価証券)して増やす努力をしています。保険会社では保険料はどのようにして決めているのでしょうか。保険会社が保険料を決める際には「予定率」をもとにして算出されます。過去の男女別の死亡統計から将来の死亡者数を予測することを「予定死亡率」といい、支払いに必要となる保険金を算出します。また保険金の運用利率を予測することを「予定利率」といい、その計算を予めします。業務上必要となる経費を予め計算したものを「予定事業費率」といい、これらを合算したものから保険料が決められるのです。年齢が低いほど、保険料が低くなるのは、「予定死亡率」の確率が低いためで、反対に高齢になるほど、確率は高くなるので、保険料が高く設定されることになります。また男女も同じ年齢であれば、女性のほうが死亡率は低いため、保険料が安くなっています。現在の保険商品は、バブル期の商品に比べ同じ保険料の保険を契約しても、保険料に対して満期返戻金や解約返戻金が低額となっています。これは、経済状況の変化や低金利の影響を伴うもので、現在の運用では高い「予定利率」が見込めないという理由からです。
生命保険とは、基本的にたくさんの人から保険金を預保険料は、「予定死亡率」、「予定利率」、「予定事業利率」から計算され決まりますが、予定した「予定率」に合う状況になるとは実際には限りません。予定よりも良かったり、悪かったりすることがあります。予定と実際の差によって余剰金が発生した場合は、契約者に「配当金」としてその余剰金が配分されます。保険会社の保険金や給付金の支払い状況や資金の運用状態によって配当金が支払われないこともあり、予め無配当とすることにより、保険料を下げるという生命保険もあります。この配当金は、積立・買増・相殺・現金支払などの方法で契約者が受け取ることができます。共済においては同じように余剰金が生じた場合は、1年ごとに割戻金として返金するものもあります。
RESPECT
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